「底地の買取相場はどれくらい?」
底地の所有者で売却を検討されている人は、買取相場はどれくらいになるかの疑問を抱いているかもしれません。
結論からいうと、底地の買取相場は更地価格の20~40%前後が一つの目安と言われています。
また、借地人との契約状況や地代設定によっては、30~60%に届くケースもあります。
買取相場に幅がある理由としては、底地特有の以下の要因が価格に影響するからです。
- 旧法借地権
- 定期借地権
- 借地人との交渉
- 土地の立地条件など
底地の買取は、公示価格(更地評価)で取引がおこなわれます。
なぜなら、公示価格は特殊な事情などを取り除くため、売り手と買い手どちらか一方にかたよることがないからです。
国土交通省では、公示価格について以下のように説明しています。
♦公示価格とはかたよらない価格です
土地は、取引する人によっていろいろな事情や動機があることが多く、取引価格もこのような事情や動機で左右されがちですが、公示価格は、それぞれの特殊な事情などが取り除かれた、自由な取引において通常成立すると考えられる1平方メートル当たりの価格を示しています。
引用元:国土交通省
本記事では、底地の買取をおこなう際の計算方法や、売却時の注意点について紹介します。
底地の売却を検討されている人は、有利な条件で手放すためにも、ぜひ参考にしてみてください。
底地の買取相場は売却方法によって異なる

底地の買取相場は、売却方法によって異なります。
底地は、以下2つの方法で売却可能です。
- 借地人に直接売却
- 不動産会社へ依頼する
借地人とは、底地所有者の土地を借りて建物を所有・利用する権利(借地権)を持つ人のことです。
一 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。
引用元:借地借家法
もし、借地人が土地の所有権を手に入れたいという意欲があれば、底地所有者が提案する売却価格に応じてくれる可能性があります。
借地人は、不動産全体の所有権を得られるメリットがあるため、更地価格の30~60%程度で売却可能です。
一方、不動産会社へ依頼する際の底地の買取相場は、転売益など価格に反映されます。
そのため、買取価格の目安は更地価格の20~40%程度になるのが一般的です。
底地の買取価格は、売却方法によって数百万円~数千円以上の差が生じる可能性もあります。
底地の買取先を決める際は、どのような売却方法が自分に適しているかの見極めが必要です。
借地人の購入意欲や取引スピードなどを総合的に判断し、複数の選択肢を比較検討することで、納得のいく条件で売却をおこなえるでしょう。
借地人に直接底地を売却する際の買取相場は更地価格の30~60%程度
借地人に直接底地を売却する際の買取相場は、更地価格の30~60%程度が目安といわれています。
借地人が土地の所有権を望む場合は、交渉次第で相場より高値での売却が可能です。
借地人は、すでに建物を所有しており将来的な建て替えや相続問題をクリアするためにも、土地ごと取得したい意欲を持っている場合があります。
その他にも借地人は、土地の所有権も持てることで以下のメリットを得ることが可能です。
- 地代の支払いが不要になる
- 建て替えや増改築が自由になる
- 相続時の手続きやトラブルを軽減できる
- 資産価値が向上する
- 融資や担保設定が容易になる
- 地主との交渉トラブルを回避できる
底地所有者と借地人の間には、毎月の地代支払いなど日頃からやり取りがあります。
そのため、底地を第三者へ売却する場合と比較した場合は、交渉や書類確認をスムーズに進めることが可能です。
借地人が底地の買取に積極的な場合は「底地所有者は高値で売却できる」「借地人は不動産全体の所有権を得れる」など双方にとってメリットがあります。
借地人に底地の買取意欲がある場合は、最適な売却方法のひとつです。
不動産会社に依頼する際の買取相場は更地価格の20~40%程度
不動産会社に底地の買取を依頼する場合の相場は、更地価格の20~40%程度が目安といわれています。
不動産会社は底地の買取をおこなった後、借地人との交渉や追加費用をかけて権利調整をおこない、転売益を狙います。
底地の買取価格は、転売リスクや調整コストを差し引いて設定するため、20~40%程度の価格を提示するのが主な理由です。
ただ、不動産会社は底地売却のノウハウを持っているため、必要書類の準備や手続きが整備されています。
独自の資金力を持っている場合もあり、ローン審査や買手探しなどが不要なため、売り手にとっては短期間で現金化できる部分がメリットです。
不動産会社への依頼は、借地人へ直接売却できなかった場合や、底地の早期売却を検討している人に有効な選択肢といえます。
底地の買取を依頼する4つの手段

底地の買取依頼は、主に以下4つの手段でおこなえます。
- 借地人へ底地を買取ってもらう
- 借地人と相談して底地と借地を同時売却する
- 仲介不動産会社に依頼して第三者に売却する
- 不動産の買取専門業者に売却する
底地の買取は、主に「借地人」と「不動産」の2つの方法で依頼可能です。
底地の買取先は、どの手段を選ぶかで「売却価格、手続きの手間、スケジュール」などに差が生じます。
そのため、自分の希望条件を明確したうえで依頼先を選ぶことが重要です。
低地の買取を依頼する4つの手段には、それぞれ以下のメリット・デメリットがあります。
売却先 | メリット | デメリット |
---|---|---|
借地人に売却 | ・比較的高値で売却できる ・交渉がスムーズに進む ・仲介手数料を抑えられる | ・借地人の購入意欲に左右される ・交渉などで対立するリスクがある ・折り合わない場合は別の方法へ切り替えが必要 |
底地と借地を同時売却 | ・土地全体の評価を得られる ・借地人にもメリットがあり合意しやすい ・権利関係がクリアになる | ・借地人の了承と協力が必須 ・スケジュール管理が複雑 ・費用負担の分担交渉が必要 |
仲介不動産会社に依頼 | ・幅広い買い手を探せる ・高値売却の可能性がある ・手続きは不動産会社が代行してくれる | ・売却期間が必要になる ・仲介手数料が必要 ・借地人への説明や承諾が必要 |
買取専門業者へ売却 | ・早期現金化が可能 ・手間やリスクを最小限に抑えられる ・取引が成立しやすい | ・買取価格が相場より低めになりやすい ・交渉の余地がない ・業者選びが重要 |
底地の買取は、依頼先によって特徴が異なります。
底地を売却する際は、依頼先それぞれのメリット・デメリットを把握し、自分の希望と合う売却方法を検討しましょう。
借地人へ底地を買取ってもらう
借地人に底地を買取ってもらうメリットは、相場より高値で売却できる可能性がある点です。
借地人は、地代の支払いをなくすことや将来の建て替えが自由になるなどの利点があります。
底地の買取意欲が高いケースがあるため、資金面や交渉次第で買取ってもらえる場合があります。
ただ、底地の買取を借地人へ依頼する場合は、以下のデメリットも考慮したうえで進める必要があります。
- 借地人の資金力・購入意欲に左右される
- 意見の対立が生じる可能性がある
- 価格が折り合わない場合は時間をロスする
- 契約手続きや書類作成に注意が必要
借地人へ依頼するデメリットは、借地人に購入意欲がなければ成立しません。
価格交渉や条件設定で意見の対立が生じた場合は、人間関係に影響が及ぶリスクがあるため注意が必要です。
また、契約を進める際は売買契約証や重要事項説明書を整える必要があります。
不動産流通推進センターでは、書類作成や不動産取引に関する相談が可能です。
個人同士の取引は、トラブルが発生するリスクがあるため、書類作成などは専門家へ依頼をおこないましょう。
借地人と相談して底地と借地を同時売却する

借地人と相談して、底地と借地を同時に第三者へ売却する方法は、土地全体の評価を得られます。
権利関係が一本化されるため、高値での売却やスピーディーに売却できる可能性がある有効な手段のひとつです。
借地権と底地が分かれている状態は、買い手にとって権利調整や借地人との交渉が懸念点となってしまいます。
しかし、あらかじめ借地人が建物を売却する準備をしておくことで、買い手は「土地と建物が一体の不動産」として購入しやすくなります。
建物のオーナー(借地人)と地主(底地所有者)の利益を一致させて売り出すことで、買い手側へ煩雑な交渉を不要にすることが可能です。
借地人は建物を売ることで資金を得られ、地主は底地を処分できるため、相互利益が得られやすい手段です。
ただ、底地と借地を同時売却するには借地人の協力が必須になります。
同時売却する場合は、十分な話し合いを重ね、双方の合意とスケジュールをしっかり整えて進めましょう。
仲介不動産会社に依頼して第三者に売却する
仲介不動産会社に依頼して第三者へ売却する方法は、幅広い市場にアプローチが可能です。
仲介不動産会社は、買い手探しの売却活動をおこない、高値で売却できる場合があります。
売却活動では、独自のネットワークや顧客リストを活用して募集をおこなうため、広範囲で買い手探しが可能です。
仲介不動産会社へ依頼する方法には、以下の特徴があります。
- 不動産会社の営業・広告力が使える
- 交渉や契約手続きのサポートを受けられる
- 仲介手数料が発生する
- 売却期間が長引く場合もある
仲介不動産は、買い手との交渉や契約手続きをおこなってくれます。
そのため、売主にかかる負担を軽減しながら売却可能です。
ただ、市場状況や物件の条件によっては、売却までの期間が読みにくい特徴があります。
買い手が見つかるまでの期間は、数カ月以上かかる場合もあるため、じっくり時間をかけてより多くの潜在買主と交渉したい人に向いている手段です。
不動産の買取専門業者に依頼する
底地は、不動産の買取専門業者に依頼して、早期売却・現金化が可能です。
買取専門業者は、転売を目的としているため大口の資金を確保しているケースがあります。
そのため、契約成立から売却金受け取りまでの期間を短くできる点がメリットです。
買取専門業者には、主に以下の特徴があります。
- 資金力があり即時対応が可能
- 権利関係の調整や書類作成を任せられる
- 買取価格は相場より低くなる可能性がある
買取専門業者は、転売や再販を目的としており、リスクやコストが買取価格に反映されます。
そのため、買取価格は相場より低くなるデメリットがあります。
底地の売却は、借地人の同意が不要なため、個人で売却をおこなえます。
底地の売却については、民法上でも借地人の承諾について定められていないからです。
ただ、借地人へ何も知らさず売却してしまうと、人間関係が悪化する可能性があります。
買取専門業者へ依頼する場合でも、借地人へ売却する理由などを伝えたうえで、売却を進めましょう。
底地の買取価格を決める計算方法は3つの手順から求められる

底地の買取価格を決める計算方法は、3つの手順から求められます。
計算方法の3つの手順は、以下の通りです。
- 更地価格の算出
- 借地権割合の差し引き
- 調整係数の適用
上記3つの手順を踏むことで、実勢価格や交渉リスクといった個別要素も考慮した査定が可能になります。
底地の買取価格は「更地価格×(1-借地権割合)×調整係数」という大枠をベースにします。
そして、物件の立地や借地契約の状況、地代などの個別事情を加味することで精度を高めることが可能です。
最終的には、実際の相場や交渉力によっても上下します。
そのため、複数の専門家や買取業者の意見を比較し、自分の底地に合った最適な条件を模索することが重要です。
手順1:公的指標や近隣の売買事例から土地の更地価格を求める
土地の更地価格は、公的指標(公示価格・基準地価・路線価など)や近隣の実際の売買事例から、底地の評価額を算出するための基礎を求められます。
公的指標の公示地価や基準地価は、国や自治体が定期的に調査・公表をしているため、市場動向を客観的に反映した数値といえます。
固定資産税評価額や路線価と合わせて確認すると、土地の基本的な評価のズレを補正することが可能です。
そして、過去に同じエリアで成約された価格は、買い手が納得して支払った「リアルな価値」を示します。
過去の売買事例では、公的指標だけでは読み取れない人気度や需要量など地域特有の事情を把握可能です。
また、複数の情報源を調査することで、より正確な更地価格を導き出せます。
手順2:路線価図の借地権割合を更地価格から差し引く
路線価図に示されている借地権割合を更地価格から差し引くことで、借地人が持つ権利の価値を評価し、その残りが底地の評価額になります。
国税庁によって路線価が定められている土地は「路線価×土地の面積」で価値の算出が可能です。
路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示しています。)のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用います。
引用元:路線価図・評価倍率表
借地権割合は、A~Gの記号によって以下の割合に分けられています。
記号 | 借地権割合 |
---|---|
A | 90% |
B | 80% |
C | 70% |
D | 60% |
E | 50% |
F | 40% |
G | 30% |
路線価図に表記されている数字と記号ごとの借地権割合から、底地価格の算出が可能です。
実際の路線価図には、以下画像のように数字と記号が表示されています。
引用元:路線価図|東京都中央区
たとえば「650B」と表記されている場合は、1平方メートル当たりの路線価が615,000円で、借地権割合が80%であることを示しています。
借地権割合を差し引く計算は、底地の実質的な評価をおこなううえで、欠かせない工程です。
路線価図に示された数値を使うことによって、客観的かつ言い切特性を踏まえた計算が可能になります。
手順3:調整係数を導入して最終的な底地価格を修正する
最終的な底地価格を決定する際は「調整係数」を導入します。
なぜなら、地域性や借地人との契約内容、地代などを加味しないと実際の取引価格とかけ離れる可能性があるためです。
以下では、調整係数が高くなるケースと低くなるケースを例を用いて説明します。
上記のように調整係数は「地域特性、借地契約の条件、借地人の買取意欲」などを反映した数値となります。
調整係数の導入は、更地価格や借地権割合だけでは捉えきれない、個々の事情を価格に反映させるために重要な工程です。
調整係数の設定によって、実際の相場に近い価格を導き出すことが重要になる認識を持っておきましょう。
底地を売却する際の注意点4つ

底地を売却する際は、いくつかの注意点があります。
整理せずに進めてしまった場合は、交渉が長引いたり後から税金や契約トラブルで、思わぬ負担を背負う可能があるため確認が必要です。
底地を売却する際は、以下4つの注意点を確認しておきましょう。
- 第三者へ売却する場合は事前に借地人に伝える
- 共有名義の場合は共有者全員の同意が必要
- 売却益を得た場合は譲渡所得税を納める必要がある
- 底地の買取業者は複数社から査定を受ける
底地は、借地人の同意なしに売却が可能です。
しかし、借地人へ知らせずに売却すると急に地主が変わるため、不信感を抱かれる場合があります。
トラブルをや人間関係の悪化を未然に防ぐためには、事前に借地人に売却する旨を伝えましょう。
底地の売却は「借地人への配慮、共有者の同意、税金対策、複数査定の実施」といった注意点を十分に理解したうえで進めることが大切です。
第三者へ売却する場合は事前に借地人に伝える
底地を第三者に売却する場合は、必ず事前に借地人に伝えましょう。
借地人との信頼関係を維持し、トラブルを回避すると同時に、借地人側が購入を希望する可能性もあるからです。
借地人は、借地借家法35条による保護を受けています。
そのため、事前連絡なしの場合は「話を聞いていない」と反発を招き、スムーズな売却が困難になるケースがあります。
(借地上の建物の賃借人の保護)
第三十五条 借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において、借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその一年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
2 前項の規定により裁判所が期限の許与をしたときは、建物の賃貸借は、その期限が到来することによって終了する。
引用元:借地上の建物の賃借人の保護
借地人は、借地満了を1年前に知らされていない場合は、最大1年の明け渡し猶予を得ることが可能です。
そのため、第三者に底地の権利が移った場合でも、借地人は最大1年借地権を持つことができます。
底地を第三者へ売却する場合は、借地人に対して必ず事前相談をおこない、購入意欲の有無や契約条件を確認しましょう。
借地人との信頼関係を損ねずに売却するためにも、相手の立場や権利を尊重することで取引をスムーズに行いやすくなります。
共有名義の場合は共有者全員の同意が必要
共有名義の底地を売却する場合は、共有者全員の同意がなければ売却できません。
共有名義とは、複数名で1つの不動産を所有することをいいます。
法律上では、共有者それぞれに一定の持分が存在しており、権利はここに有しているため売却を進めるには全員の承諾が必要です。
たとえば、3人で共有名義の底地を所有している場合に、1名が売却したいとします。
他2名のうち、1人でも売却に反対すると取引を成立させることができません。
なお、共有名義の不動産売却は、手続きが複雑化しやすい傾向があります。
なぜなら、必要種類の収集や印鑑証明の取得は、共有者全員分が必要になるからです。
共有名義の底地を売却する場合は、全員の同意が不可欠なだけではなく、手続きや書類準備が通常より煩雑になります。
スムーズな売却を実現するためには、共有者同士で協議をおこない、必要書類やスケジュール管理を伸長に進めることがポイントです。
売却益を得た場合は譲渡所得税を納める必要がある
底地の売却で利益が発生した場合は、所得税や住民税などの譲渡所得税を納める義務があります。
そのため、売却額から経費を差し引いた「利益分」を把握しておかなければ、後に納税額が発生するため注意が必要です。
税率は、不動産の所有期間によって異なる場合があります。
不動産所有期間ごとの税率は、以下の通りです。
- 長期譲渡所得(5年超)
(課税長期譲渡所得金額×15%) - 短期譲渡所得(5年以下)
(課税短期譲渡所得金額×30%)
不動産の譲渡による所得は、分離課税制度が採用されています。
そのため、給与所得や他の所得などと合計せずに計算する必要があるため、注意しましょう。
底地を売却して利益を得た場合は、譲渡所得税の申告と納税は必ず必要です。
税負担を最小限に抑えるには、売却前から所有期間や取得費用、適用可能な控除制度を確認しておきましょう。
納税の手続きがわからない場合は、税理士など専門家のサポートを受けながら進めることが重要です。
底地の買取業者は複数社から査定を受ける
底地の買取業者は、複数社からの査定を受けて比較検討することが重要です。
複数社からの査定を受けることで、提示金額やサービス内容を確認して、納得のいく売却をおこなえます。
不動産会社や買取専門業者からの査定には、多少の差異が生じる可能性があります。
なぜなら、独自の査定方法や転売・再販の戦略が異なる場合があるからです。
査定方法によっては、数百万円以上の差が出ることも珍しくないため、複数社の査定結果を比較することは重要といえます。
また、複数社の査定結果を把握することで、価格交渉に役立てることも可能です。
「他社ではこういった理由で〇〇円だった」と具体的な根拠を提示することができ、業者側も競合がいると分かれば交渉に応じてくれる場合もあります。
複数社の査定は、手間がかかるように見えて、最終的に得られるメリットは十分な価値があるといえます。
底地の売却をおこなう際は、最低でも2~3社からの査定を受けて、買取価格やサービス内容の比較をおこないましょう。
底地と借地の違いは所有権と使用権
底地と借地の違いは、所有権と使用権が異なります。
地主が持つ土地の所有権が「底地」であり、借りて建物を所有する権利が「借地」です。
底地の所有者である地主は、土地を所有しているため固定資産税などを支払います。
ただ、借地人に土地を貸しているため、地代を受け取ることが可能です。
一方、借地人は他人の土地に建物を建て、その建物を所有・利用するための権利を持ちます。
借地人は契約更新や地代の交渉において、借地借家法などの法律により、保護される仕組みがあります。
底地と借地の違いは「誰が所有権を持ち、誰た使用権を持っているか」というシンプルな構図です。
しかし、実際には借地人の権利保護や地主側の制限などのルールがあります。
底地を売却する際は、権利関係を正しくりかいして、借地人とのコミュニケーションや必要な手続きを踏まえて進めることが大切です。
底地とは借地人に貸している地主の土地所有権のこと
底地とは、地主が所有する土地を借地人に貸し出している状態の不動産の権利形態を指します。
地主は所有権を持つ一方で、借地人に使用権を与えているため、自由に活用できない部分が生じる点が特徴です。
地主のメリットと負担 | 借地人から地代収入を得られます。 ただ、固定資産税の負担や借地人からの要望(建物増改築など)の対応が必要となります。 |
---|---|
借地人の権利保護について | 借地人は借地借家法などの法律により、居住・使用権は手厚く守られています。 そのため、地主が土地を売却したい、再開発を検討したい場合でも、借地人との契約更新の可否など信用な手続きを踏む必要があります。 |
底地は、地主に土地の所有権があるにもかかわらず、借地人の使用権を前提とする特殊な形態です。
売却や相続の際には、借地人との合意形成が欠かせないため、通常の土地取引よりも複雑な手続きが伴うことを理解しておく必要があります。
借地とは土地を借りて建物を建てられる使用権のこと
借地とは、他人の土地を借りて建物を所有・利用できる使用権を指します。
地主に対して、地代を支払うことで土地そのものを買わなくても、住まいや事業用建物を自由に建てられる点が大きな特徴です。
土地取得コストを抑えられる | 土地の購入資金が不要なため、初期費用を大幅に減らすことができます。 特に都心部のように地価が高値の地域では、借地を活用することで家計や事業資金の負担を軽減可能です。 |
---|---|
法律で借地人が保護される | 借地借家法などの法律によって、地主が一方的に契約を終了させることはできません。 借地人には契約更新や地代額の交渉などの権利が認められており、安心して長期的に建物を利用できる仕組みが整えられています。 |
借地は、地主の土地所有権とは異なり、あくまでも「建物を所有・利用するための使用権」です。
地代の支払いや契約更新といった制約はあるものの、土地取得費用を抑えつつ建物を持てるメリットがあります。
まとめ
今回は、底地の買取相場について解説しました。
結論、底地の買取相場は売却方法によって異なります。
底地は「借地人」と「不動産会社」主に2つの方法で売却可能です。
借地人に底地の買取意欲がある場合は、更地価格の30~60%程度の相場で売却できる可能性があります。
ただ、借地人の資金面や価格交渉が必要で、意見を尊重する必要があります。
一方、不動産会社では「仲介」と「買取」の2種類の売却方法に分かれます。
仲介では、高値で売却できる可能性がある反面、売却期間が長期化する場合があります。
買取では、短期間で売却できるものの、買取価格は相場より低くなる可能性があります。
底地の買取を依頼する際は、自分の希望条件を明確にしたうえで、適切な売却先を見つけることが重要です。